サンデー毎日の1月28日号に『「風邪」予防法を科学する』という記事がありました。
さまざまな予防法を科学的根拠の視点から検証するといった趣旨で、メディアによく出られてる池袋大谷クリニック院長の大谷義夫先、聖路加国際病院呼吸器内科の仁多先生など、現役ドクターが解説されてます。
記事を読んで興味深かった内容3つ、簡単に紹介したいとおもいます。
①ヨード液より水うがい
風邪の予防で真っ先に浮かぶのはうがいだと思いますが、うがいの方法についての研究結果を紹介されてました。
結論としては、イソジンなどヨード液でのうがいより、ただの水うがいの方が効果が高いようです。
380人を対象とした京都大環境安全保険機構健康科学センターが行った研究では、「水うがい」「ヨード液うがい群」「特にうがいをしない群」に振り分け2ヶ月にわたって検証。
結果は「うがいなし群」と比べて、「水うがい群」は風邪の発症が40%低下したが、「ヨード液うがい群」では明らかな差が出なかったようです。
ヨード液では抗菌・抗ウイルス作用が強く口の中の常在菌も殺してしまうのだろう、との大谷先生は解説。風邪の予防という点では水うがいが効果があるようです。
また、正しいうがいの仕方も紹介されていました。
いきなり水を含んでうがいするのはNGとの事。雑菌だらけの口に水を含んでいきなりうがいをするとウイルスを喉の奥に押し込んでしまうかもなので、最初は口の中をゆすいでからうがいするのがよろしいようです。
②ゾクッとしたら軽い運動で免疫増強
身体がだるい、喉が少し痛い、鼻水が出るといった風邪の引きはじめには安静にするよりも軽い運動をした方が回復が促されるとの事。
安静よりも軽く身体を動かした方が、免疫細胞であるNK細胞やリンパ球が活性化して免疫力が高まるとの報告もされているようです。
池袋大谷クリニック院長の大谷先生も、風邪の引き始めでゾクッときたら、帰って寝るのではなく、短めにプールで泳ぐようにしている、と書かれていました。
③睡眠5時間以下は風邪をひきやすい
健康な約160人に風邪ウイルスであるライノウイルスが入った点鼻薬を施すという海外の研究があり、その結果として、睡眠5時間以下の人が最も風邪を発症しやすかったとの事です。
やはり、健康の秘訣はしっかり睡眠を取ることだと思います。
睡眠不足が身体に悪いのはイメージ出来ますが、研究結果で出ていると説得力がありますね。
以上が掲載されていた記事を抜粋したものですが、
私たち鍼灸師がお薦めするのは、風邪の引き始めに首の治療をすることです。
東洋医学では、風邪は、風の邪気が体内に入り込む事で起こると考えます。
その風の邪気が入りやすいのが首からと考えられています。
首のうなじの所に【風池】というツボがありますが、まさに風邪の引き始めはこのツボにアプローチするのが効果的です。
確かに最初にゾクッとした寒気を感じるのは首筋やそれに続く背筋から感じる方が多いと思います。
散髪した後に首元が冷える感じがあって風邪を引いた、という話もチラホラ耳にする事もありますが、まさにその感覚ですね。
②の<ゾクッとしたら軽い運動で免疫増強>は、身体の血行を良くして全身の免疫機能を高める作用もあるかと個人的には思いますが、まさに鍼治療も同じですね。
鍼が体内入る事で、身体が異物を察知して、免疫機能が高まると言われていて、継続的に鍼施術を受けている方からはよく風邪を引かなくなった、体質が変わった、と言われる事が多いです。
やはり基本は日々の生活を規則正しく過ごすことがポイントですね。
長々と書きましたが、風邪予防のポイントをまとめると(自分でも日々実践して効果を感じている事でもあります)
1)うがい手洗い
2)適度な運動
3)質の高い睡眠
それにプラスして
4)定期的な鍼&マッサージでのメンテナンス
を風邪予防にオススメします。