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変形性膝関節症

2016.12.15.

◆原因
関節軟骨の変性・摩耗

一言でいうと、膝の関節の老化現象によるものが大部分です。
40代〜50代に症状が発現する事が多く、特に女性の方に多く見られます。

症状の段階的な進み方は以下の通りです。

1,『関節軟骨』が老化により弾力性を失い、軟骨の表面が摩耗・すり減ってきます。

2,すり減った軟骨の欠片が膝の関節を取り囲む関節包の滑膜を刺激し、滑膜が炎症を起こす事で、膝に水が溜まる関節水腫、滑膜の肥厚が生じます。

3,関節水腫・滑膜の肥厚が進むと、関節周囲の腱と靭帯に圧力が加わり腱炎や拘縮がおこり、関節が動かなくなるにつれ膝関節周囲の筋肉は萎縮し、関節の支持性は低くなっていきます。

4,また関節液には骨に対して増殖作用があるため、骨のトゲ(骨棘)が出来たりして関節の変形をおこします。この悪循環により、最終的には半月板も傷める事になり、関節の破壊が進んで歩行が困難になっていきます。

※関節の老化以外の原因としては、大きな外傷(骨折や靭帯損傷・半月板損傷など)、先天性の関節異常、代謝障害、など挙げられます。

 

<初期症状>・・・1の段階
→関節軟骨の表面は摩擦を受け始めて毛羽立ってる状態

・起床時や歩き出し時に違和感
・膝の曲げ伸ばしで軽い痛みやこわばり

 

<進行期>・・・2と3の段階
→関節軟骨の摩耗が進行し滑膜が炎症起こしてる状態

・動作のたびに痛みを感じる
・膝関節の拘縮により正座ができない&膝をまっすく伸ばせない
・水が溜まって腫れた感じがある
・関節を動かすとゴリゴリ摩擦音が聞こえる

 

<末期>・・・4の段階
→軟骨が完全にすり減り骨棘形成が進行

・日常動作が困難になるほど膝が動かなくなる
・常に痛みを感じる

 

◆医療機関での治療ガイドライン

治療の目標は、

1)痛みの軽減
2)関節の柔軟性の維持
3)関節および周囲筋の協調性向上

となります。

膝関節の新陳代謝を促し、血流改善と筋緊張を緩和させて筋肉や関節のこわばり・拘縮を改善させ、更に膝関節周囲の筋肉を鍛える事で症状緩和が期待できます。

病院では更にヒアルロン酸注入(週一で5回程度)を併用しながら1年ほど保存療法で経過をみていきながら、効果が無ければ人工関節や高位脛骨骨切りなどの手術を検討するのが多いようです。

※保存療法を1年程続けて効果なければ手術検討。
1,人工関節
2,高位脛骨骨切り など

 

◆当院での治療

基本的には患部の鍼・マッサージ治療および超音波治療+運動療法を組み合わせて、痛みをコントロールしながら関節の組織強化を図っていきます。

1)熱感や腫れが強い場合
患部の腫れ・熱感のある部分を囲むように浅く鍼を打ち、そのまま置鍼します(10分程度)。

 

2)大腿四頭筋・ハムストリング・腓腹筋の筋緊張が強い場合
特に大腿四頭筋の筋機能および筋拘縮改善を目的に、鍼パルス治療を行います。

お皿の上(膝蓋骨の内外上角)から指3本の部分にあるツボ、【血海】【梁丘】に刺鍼し通電して拘縮した大腿四頭筋を動かしていきます。

その他、膝の内側関節裂隙などの膝周囲の圧痛が強く出ているポイントに置鍼します。
患部の鍼治療後、さらに超音波治療で関節内部を温めて痛みの緩和を図ります。

上記に加え、膝関節周囲筋で最も重要である大腿四頭筋(内側広筋)の強化を目的に運動療法も行っていきます。(※ストレートレッグレイズ(SLR)やクアドセッティングなど。)

 

なかなか1回の治療で劇的に改善する事は難しいですが、まずは疼痛のコントロールをしながら、可能な範囲で動かして行くことがとにかく重要です。継続して治療を行う事で徐々に効果が表れてきます。

また、膝の痛みや違和感を感じ始めた時に、適切に処置をする事も重要です。

早めに腫れと疼痛コントロールしながら膝関節周囲筋を鍛える事で重症化させずに済むので、気になる症状があればぜひ一度ご相談ください。

 

◎鍼による効果

・刺鍼局所の血液循環が改善
鍼を体内に刺す事で局所的に「軸索反射」という反応が起こると言われています。
鍼刺激によりCGRP(カルシトニン関連ペプチド)やサブスタンスPといった神経伝達物質が放出され、毛細血管を拡張させることで血行改善が図られます。
血流が良くなり新陳代謝が上がる事で、組織に溜まった老廃物の除去やリンパ管の流れがスムーズになりむくみを改善します。

 

◎マッサージによる効果

・揉捏法(おす、こねる、つまむ等)や振せん法といったマッサージ手技を駆使して筋肉に様々な刺激を与える事で、血流改善を促します。
特に筋肉を揺らしたり振動を与えてほぐしていく振せん法は、抹消から中心にむけた静脈血の還流を促進させる効果が期待できます。

 

◎超音波治療器による効果

超音波治療器の仕組みは、電磁エネルギーをプローブと呼ばれる治療器の先端部から超音波に変換し、体内部で照射される際に生じる熱が疾患部を立体的に温め、疾患部の疼痛を和らげる効果が認められています。

超音波治療の主な生理的作用としては、以下の2つが挙げられます。

1,温熱効果
温熱効果は主に、組織の伸展性および関節可動域の増大、拘縮の改善、血流改善し疼痛緩和、などの効果が挙げられます。

2,非熱効果(機械的効果)
非熱効果(機械的効果)とは、超音波の振動を連続で与えて熱を発生させる温熱効果と違い、振動を断続的に起こすことで熱の発生を抑え、主に超音波の振動エネルギーを与える事で細胞を活性化し、組織の修復を促進する効果が挙げられます。

特に捻挫や打撲などの怪我における急性期の炎症・腫れ(浮腫)を軽減し、回復を早める効果が期待できます。

実際の使用例としては、肩こりや腰痛など慢性的な筋疲労・筋緊張が原因のものには温熱効果で筋緊張を緩める事を目的に、また捻挫など怪我をした直後で腫れが酷い場合などは非熱効果で腫れを軽減させ組織修復を促す事を目的に治療に活用しております。

 

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