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腰痛

2016.12.14.

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腰痛には大きく分けて、「急性腰痛」と「慢性腰痛」の2種類に分けられます。

①急性腰痛(いわゆるギックリ腰)

腰部の筋膜・靭帯・椎間関節などに起こる一過性の炎症で、腰に起こる捻挫とも言われています。

ちょっとした動作(下に落ちてる物を拾おうとした時、朝の洗顔時、靴下をはこうとした時など)で発症する事が多く、運動不足で筋力が衰えたり、椎間板などの腰椎周辺の組織が老化して弱っている時に発症しやすくなると言われています。

ギックリ腰になると腰が前後に曲がりにくくなり、痛みで日常動作が困難になります。
ひどい場合は全く動く事も出来ず、寝たきりの状態になる場合もあります。

痛みの少ない姿勢(横向きや台に足を乗せるなど)で安静にする事が重要です。

発症後は無理に動かしたり、患部をマッサージしたりすると悪化する可能性もあるので、
当院ではギックリ腰の治療の場合、急性期は患部への刺激は行いません。

ギックリ腰の場合、臀部や大腿部・ハムストリング、ふくらはぎ等の筋肉が緊張している事が多く、まずはそれらの筋肉を緩めていきます。

またギックリ腰に効果があると言われてるツボ(膝裏や足背部にある)に鍼治療を行う事で痛みが軽減する事も多く見受けられます。

 

②慢性腰痛

慢性腰痛には大きく3タイプに分けられます。

1)椎間板変性・椎間板ヘルニア
腰椎と腰椎の間に挟まれた椎間板というクッションが変性し、亀裂が生じて中身の髄核が飛び出してしまう状態です。飛び出した髄核が、すぐそばにある脊髄神経の神経根を圧迫する事で痛みやしびれなどの症状が起こります。

2)変形性脊椎症
老化により腰椎の変性が起こり、腰椎に骨のトゲ(骨棘)が出来る事で痛みが起こります。
椎間板ヘルニアと同じく、老化により椎間板の変性・弾力が低下するため上下の腰椎にかかる圧力を緩和する事が出来ず、腰椎が必要以上に刺激を受ける事で骨の増殖作用が高まり骨棘が形成されます。

3)筋・筋膜性腰痛(いわゆる腰痛症)
腰やお尻周り、大腿部の筋緊張や筋疲労が原因として起こる腰痛。
肩こりや首コリと同じく、長時間のデスクワークなどによる座りっぱなし、または、無理な姿勢で立ちっぱなし(料理人や接客業など)の仕事の人に多く見られます。

腰椎を支える体幹筋群(腹筋や背筋)の筋緊張による、いわゆる「コリのメカニズム」よって痛みが生じると考えられております。

その他、最近ではストレスが腰痛を発症させる事も分かってきており、心理的な不安が痛みを増悪させる要因とも考えられております。

 

★筋・筋膜性腰痛のメカニズム

筋・筋膜性腰痛(慢性腰痛)が起こるメカニズム⇒きっかけは「筋肉疲労」

①例えば長時間のデスクワークや無理な姿勢での立ちっぱなしでいると、ずっと同じ姿勢のままとなり、脊柱起立筋や大殿筋・中殿筋・腸腰筋など、体幹部の筋肉が緊張状態となり筋肉疲労を起こします。

②筋肉が緊張状態になると筋肉の中を走る血管が圧迫されて血流が悪くなります。

③血行が悪くなると血液の中に含まれる酸素の供給量が不足し組織が酸欠状態に。組織が酸欠状態になる事で発痛物質や痛みに関連する代謝産物が蓄積されるようになります。

④組織に蓄積された代謝産物が末梢神経を刺激する事で知覚神経を興奮させ、痛みを引き起こしやすくなります。

⑤痛み情報を感じる事でさらに血管収縮&筋緊張が亢進される。それにより発痛物質や代謝産物が増加し、痛みの悪循環が続いていきます。

 

★代表的な原因は大きく3つ

1)姿勢の悪さ→デスクワークや長時間の運転

2)運動不足→主に脊柱起立筋・大殿筋・中殿筋・腸腰筋、大腿部などの筋力不足

3)ストレス→交感神経が優位となり筋緊張亢進

※慢性腰痛に対しては、いわゆる筋緊張の強い部分を鍼治療やマッサージ治療で緩めていきます。
腰部や下肢の筋緊張を緩めて血流を改善させ、またストレッチで股関節周りの柔軟性を高める事で、痛みやだるさ、坐骨神経痛の症状を改善する事が期待できます。

 

◎鍼による効果

・刺鍼局所の血液循環が改善
鍼を体内に刺す事で局所的に「軸索反射」という反応が起こると言われています。
鍼刺激によりCGRP(カルシトニン関連ペプチド)やサブスタンスPといった神経伝達物質が放出され、毛細血管を拡張させることで血行改善が図られます。
血流が良くなり新陳代謝が上がる事で、組織に溜まった老廃物の除去やリンパ管の流れがスムーズになりむくみを改善します。

 

◎マッサージによる効果

揉捏法(おす、こねる、つまむ等)や振せん法といったマッサージ手技を駆使して筋肉に様々な刺激を与える事で、血流改善を促します。

特に筋肉を揺らしたり振動を与えてほぐしていく振せん法は、抹消から中心にむけた静脈血の還流を促進させる効果が期待できます。

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